あぶない病気なの


怒りを自分に向けてしまう病気

よく新聞に出ますね、凶悪犯の場合、最後に「なお、精神病院に入院歴があった」って。あれを見るたびに、「ああ、また偏見が増える」って悲しくなります。

精神的疾患にかかってる人が、すべて人を襲うわけではありません。
ごくごく一部ですし、統計的には健常人の方がはるかに犯罪率、再犯率が高いのです。

  特に、気分障害の場合、怒りや憎しみ、悲しみは、すべて自分に向けられます。ですから、布団にもぐってるうちはまだいいんです(本人はつらいですが)。
 問題は、少し元気になって、動けるようになったときです。そのわずかなエネルギーを、自分を傷つける方向に向けてしまい、最悪の場合には、自殺します。

軽い場合には、リストカットをしたりしますが、まず死にません。癖になる人もいるくらいです。本気で死ぬ気はない場合が多いようです。
似たものでOD(=Over Dose オーバードーズ 薬を大量に飲むこと)というのがありますが、せいぜい胃洗浄、それもなしで薬が抜けるまで入院だけということも多いです。
私見ですが、こういうことをよくやる人は、パーソナリティ障害の疑いもあるので、薬物療法の他にカウンセリングなども検討されては? と思います。



症状が激しい人は入院も

躁うつ病では、治りかけのウツでの自殺とともに、1型で躁状態がひどい人も注意しなければなりません。

「どんな人がなるの」で触れましたが、異常なほど明るくなり、ささいなことで激怒したり、家族が止めるのも聞かずに怪しげな取引をまとめたり、山ほど買い物をしたり、性的欲求が激増したり・・・。自殺率も高くなります。
うつの自殺とは違い、万能感があるので、「新幹線に喧嘩売ってやる!」とか、「空を飛べる!」とかの妄想から自殺してしまいます。すべて、病気のせいなのです。
躁の時は病識がありませんから、当然入院など拒否します。

そこで、医師と家族が相談し、家族の責任(ハンコ)で入院に同意するという「医療保護入院」を行うことが多いです。
ただ、これだと、入院当時は家族を恨んだり、閉鎖病棟だと「出せ!」と言って暴れたりすることがあります。
が、躁がおさまり、自分がどのような状態だったかを把握できるようになると、徐々に納得するようです。

入院形態にはその他に、「措置入院」というのがあり、これは警察沙汰になって強制入院させられるもので、警察により退院などが決められます。
警察の許可がなければ、家族でさえ、退院させることはできません。
ちなみに、普通の入院は、「任意入院」で、本人のハンコでOKです。退院も、本人と医師の話し合いにより決められます。

躁状態で入院すると、病院では、とにかくエネルギーを発散しまくるため、やたらナースステーションに行く、他の患者の邪魔をする、用もないのに他の部屋に行く、昼夜問わず騒ぐ、超わがままを言いまくるなど、とにかくうるさいです。
他の患者から苦情が出た場合は、夜は眠剤を強くして寝させておくか、抗精神病薬で鎮める、保護室に入れるなどの措置が取られますが、病院により処置が違います(最近はなるべく薬を使わないところも多いようです)。
いずれ下がってくることは眼に見えてますが、躁状態の人と閉鎖病棟で一緒になったら、刺激しないのが一番かもしれません。

また、うつがひどくて希死念慮(自殺願望)がある、未遂を起こしたなどの場合や、ほとんど動けず生活していけないという場合も、入院することがあります。
主婦などでは、育児や家事から解放して、ゆっくり休むという意味での入院も多いです。



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