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参考になる本
うつ病に比べて、躁うつ病は本が少ないので、いろいろさがしてみました。 うつ病の本の中にもよい本がありますので、参考にしてみて下さい。 一部、分類を変えました。 出版社のデータでは目次、内容、版型、頁数などが詳しく、アマゾンでは読者レビューが多いので、できるだけ両方にリンクしました。 本に直リンクできない出版社は、一番近いページをリンクし「ここで検索」としてあります。 躁うつ病の本(わかりやすい一般書) 躁うつ病の本(手記) 躁うつ病の本(専門書・家族・児童その他) 躁うつ病のワークブック うつ病の本(躁うつ病にも参考になるもの) 精神医療の本 認知療法 認知療法ワークブック 対人関係療法ワークブック 自分の病気に迷ったら 薬の本 精神福祉関係の本 番外:読むだけ無駄な本(独断) |
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『双極性障害(躁うつ病)のことがよくわかる本(健康ライブラリーイラスト版)』(野村総一郎監修・講談社・1200円・2009/09)(出版社) (アマゾン) 「双極性障害(躁うつ病)」と診断されたら、最初に読む本としてお勧め。本人のみならず、家族・周辺の人も読みやすいよう、大判、イラストを多用、わかりやすい見出し、見開きで一項目など、工夫されている。 症状やタイプ、原因、誘因、療法、生活のなかでの工夫(本人、周囲とも)など、平易に書かれているが、一冊で結構な知識が得られる。 ただ、もうすでに他の本を読んでいたり、知識がある人、周囲の理解が得られている人には不要。 個人的には、コラムの「根底には依存心がある」という記述(p28)には同意しない(周囲が誤解しかねない)が、それを除けば、よい啓発書だと思う。 『躁うつ病とつきあう 第2版』(加藤忠史著・日本評論社・1500円・2008)(出版社) (アマゾン) 「躁うつ病を一生のテーマに」と考えている医師の本。多くの症例と、病気とのつきあい方が記されている。HPもあり。大変参考になるサイト。 第2版は第1版に加筆したもので、前著にあった14章の症例はそのままにし、新しく3章を追加、付録として40ページほどの「躁うつ病を知ろう」が付いている。 新しい症例では、最近の新しい薬や試み、研究結果などが平易に述べられ、付録も躁うつ病の概念から原因、遺伝、治療などに言及されている。 特に薬や「うつ状態での過ごし方」にある認知療法、生活の仕方などが詳しい。 『うつ病・双極性障害で悩まないで!』(大野裕著・ナツメ社・1300円・2007)(出版社) (アマゾン) 既刊「うつ病で悩まないで!」に双極性障害を足し、全体に加筆。 双極性障害の章はもちろん参考になるが、うつ状態を改善させるためのヒントがたくさん書かれているので、双極性障害のうつ病相にも応用できそう。 医療機関の見つけ方、認知療法を含む精神療法や環境調整(職場含む)など、見開きでふり仮名付き、読みやすく解説されている。 『躁うつ病はここまでわかった』(加藤忠史/不安・抑うつ臨床研究会編・日本評論社・1600円・2007)(出版社) (アマゾン) 躁うつ病についての、日本初の一般向け講演会(2007/02)をまとめたもの。 症状と診断、薬物療法、心理社会的治療(家族)、症例、原因など、講演会での内容のほか、当事者の手記、当日寄せられた質問に対するQ&Aなど、これ1冊で躁うつ病の現在がわかる。 薬名など多少専門的なところはあるが、全体に読みやすく構成されている。 『双極性障害−躁うつ病への対処と治療』(加藤忠史著・ちくま新書・780円・2009/01)(出版社) (アマゾン) 読みやすい新書版だが、「第一部:対処と治療」「第二部:双極性障害の最新研究」となっており、第二部は「年輪の会」での講演。 一般の人には聞き慣れない「双極性障害」という言葉の説明や、1型と2型の違いがわかりやすく書いてある。 また各病相期での、本人、家族、職場の人の意識の違いと対処法、受診、復職、自殺の予防など社会的な立場からの記述、薬の保険適応についてなど、随所に実用的な話題あり。 『かくれ躁うつ病が増えている』(岩橋和彦ほか著・法研・1575円・2010/7) 未読。 『私のうつノート』(読売新聞生活情報部編・中央公論新社・1200円・2008/10)(出版社紹介なし) (アマゾン) 「うつノート」とあるが、内容は双極2型。現役の新聞記者が自分の体験を新聞の連載記事にしたものをまとめ、同僚から見た印象、再発防止や職場復帰などを加筆して出版されたもの。 加藤忠史先生には「『私の躁うつノート』にすれば?」と言われたらしいが渋り、といって「『私の双極ノート』でもなぁ」と悩んでの書名らしいが、帯には「うつ」、目次にはいきなり「双極性障害の記録」という見出しが出てくる。 これでは、躁うつ病の人は手に取らないし、うつ病の人は「??」である。せっかくの画期的な企画が台無し。プロの記者なのに、本当に読んでほしい人が手に取るような書名、帯にできなかったのか? 内容的には描写も細かく、双極2型(1型も)を理解するには読みやすい本だと思うので、大変惜しい。 『躁うつ病を生きる−わたしはこの残酷で魅惑的な病気を愛せるか?』(ケイ・ジャミソン著・田中啓子訳・新曜社・2400円・1998年)(出版社) (アマゾン) 気分障害の専門家でありながら、自らも患者であった医学博士の秀逸な手記。 彼女は超エリートであり、一般人と多少事情は違うが、病気は同じ。 文章を通して、患者側の辛さや気持ちをわかってくれているという安堵感に包まれる。 また、病気をコントロールするための姿勢も参考になる。 『マンガお手軽躁うつ病講座 High&Low』(たなかみる著・星和書店・1600円・2004年)(出版社) (アマゾン) 躁うつ病の漫画家の著者が、4コマ漫画を交えながら、わかりやすく躁うつ病を解説している。 自分の経験を元に、医師選び、薬について、周りへの悩み、併発病状などが書いてあるため、難しい専門用語もなく、気楽に読める。 家族にもぜひ読んで欲しい一冊。著者のHPもあり。 『マンガ境界性人格障害&躁うつ病REMIX』(たなかみる著・星和書店・1600円・2006年)(出版社) (アマゾン) 上記に続く第2弾。 実は境界性人格障害(ボーダー)も併発していることが判明、闘病について漫画入りで詳しく書いている。 躁うつ病とボーダーが併発するケースも多いので、心当たりのある人は是非。 『心が雨漏りする日には』(中島らも著・青春文庫・600円・単行本は2002年)(出版社。ここで検索) (アマゾン) アルコール依存症と躁鬱病を抱えた著者が、うつから始まった自分の症状を赤裸々に書いている。 躁鬱病をうつ病の一種としたり、最終的に薬を断ったりと、勧められない部分も多いが、躁鬱病を知らない人にとってはわかりやすく読めるだろう。 『躁うつ病なりの生き方−こころの葛藤から障害年金まで』(山本将夫著・社会評論社・1800円・2006年)(出版社) (アマゾン) ごくありふれたサラリーマンだった著者が、躁うつ病発病、薬への無知(躁になるとやめる)のため、懲戒解雇から起業〜破産・離婚、自殺未遂・幻覚・措置入院・生活保護などへ至った経緯を書いた手記。 第三章では治療を始めてからの福祉について書かれており、参考になる。 しかし、全体に文章が素人っぽく、また幼少期や会社の内容がこまごまと書かれているので、冗長な印象。手記好きな方には合っているかも。 『凄絶な生還ーうつ病になってよかった』(竹脇無我著・マキノ出版・1300円・2003年)(出版社) (アマゾン) 「うつ病」とされているが、実際は躁鬱病。 うつ病(?)だった父の自殺との関連も織りまぜながら、役者をしながらの躁鬱病とのつきあい方を語っている。 タレント本の域を出ない感もあり、なぜか写真はうつの時のものばかりだが、大きな字で読みやすい。 『輝ける日々』(ダニエル・スティール著・畑正憲訳・朝日出版社・1700円・2003年)(出版社データなし)(アマゾン) 全米No.1の人気作家、ダニエルの息子ニックは、早発性躁うつ病だった。 判明するまでに時間がかかったため、悪化の一途をたどり、ロックスターの道も断たれ、わずか19歳でこの世を去った。 母として、常にニックを見守り続けたダニエルとニックの壮絶な手記。 読みやすいが、母の愛が全編に貫かれる400ページは好悪が分かれるかも。 『「うつ」と「躁」の教科書』(B.P.クイン著・大野裕監訳/岩坂彰訳・紀伊國屋書店・2500円・2003年)(出版社) (アマゾン) 著者は「本書は読者に希望をもってもらうために書いた」と述べている。 きちんとした知識を得れば、患者は豊かな生活を送っていけると主張。最も大切な夫婦・家族関係にも言及している。 『双極性障害の治療スタンダード』(樋口輝彦/神庭重信編・星和書店・3600円・2003年)(出版社) (アマゾン) 双極性障害の治療を中心に、治療の歴史的変遷、診断、病態、薬、病型による治療の実際、心理社会的治療、電気けいれん療法、経過と予後(ラピッドサイクラー含む)、諸外国の現状など。 詳しいが、少々専門用語が多く、教科書的。 『うつ病新時代−双極II型障害という病』(内海健著・勉誠出版・1800円・2006年)(出版社) (アマゾン) しばしば診断が間違えられる双極II型障害に焦点を当てた本。 双極II型障害を全く新しい気分障害の病態とし、その実態について歴史的定説や症例をまじえて独自論を展開している。 2型の読者はうなずくところが多いと思うが、全体に論理が荒っぽく、文章が情緒的(だが断定的)なので、この本だけをうのみにするのは少々危ういかも。 ちなみにDSM(広く使われているアメリカ精神医学会の国際分類)はボロクソである。 『「うつ」がいつまでも続くのは、なぜ?-双極II型障害と軽微双極性障害を学ぶ』(ジム・フェルプス著・ 荒井秀樹監修・ 本多篤ほか訳・星和書店・2400円・2011年2月) (出版社) (アマゾン) 未読。 『双極性障害−躁うつ病の分子病理と治療戦略』(加藤忠史著・医学書院・3900円・1999年)(出版社) (アマゾン) 躁うつ病の第一人者が研修医や若手精神科医向けに書いたものだが、そう難解なものではない。 治療、症状、診断などはわかりやすく、さまざまな評価尺度表が載っている。より専門的な知識を得たい人向き。 しかし医学書院はいつも価格設定が高すぎ。 『うつ病論−双極II型障害とその周辺』(高岡健/浅野弘毅著・批評社・1800円・2009/02)(出版社) (アマゾン) 読書中。 雑誌『こころの科学131号 特集:双極性障害』(加藤忠史編・日本評論社・1143円・2006/12)(出版社) (アマゾン) 精神医療の隔月刊誌『こころの科学』での特別企画。 双極性障害と社会、原因・診断・概念、治療の三部に分かれ、パニック障害や非定型精神病との関わり、子供の双極性障害、生活のサポートなどにも触れている。 それらの小項目は16、それぞれ4〜6ページほどなので、物足りない感もあるかもしれないが、多岐にわたっている。 巻頭に躁鬱病の作家・北杜夫の娘と加藤先生の対談が10ページほどあるが、病気に関する娘のあまりの無知さに驚かされる。 特集は、対談を除き80ページ弱。 『あの人が躁うつになったら−双極性障害の伴侶とともに』(ジュリー・A・ファスト/ジョン・D・プレストン著・田中雅子訳・オープンナレッジ・1500円・2006年)(紀伊國屋書店が代理説明) (アマゾン) 躁うつ病の配偶者・家族向けの本だが、当事者が読んでも大変ためになる一冊。ファスト氏は自分も夫も双極性障害。 躁うつ病患者に対し、生活の中で具体的にどうしたらいいかがよくわかる。刺激要因や有効策などいろいろなリストが挙げてあり、問題への対処法が書かれている。 中でも、双極性障害の配偶者と話していて会話がずれていきケンカになるのは、配偶者ではなく「双極性障害」が会話しているからと指摘、普通の会話と比べている記述などは秀逸。 『躁うつ病 患者・家族を支えた実例集』(林公一著・保健同人社・1400円・2009/01)(出版社) (アマゾン) 既読。レビュー(を書く気力が出る日)待ち。 『新版 こころ病む人を支えるコツ』(田原明夫著・解放出版社・1700円・2007年)(出版社) (アマゾン) 既読。レビュー(を書く気力が出る日)待ち。 『子どもの双極性障害―親と専門家のためのガイド』(ディミトリ・パポロス/ジャニス・パポロス著、十一元三/岡田俊/紅葉誠一訳・東京書籍・4515円・2008/04)(紀伊國屋書店) (アマゾン) 今まで焦点の当てられなかった子供の双極性障害についての、本邦初の本格的な本。 診断、併発症状、薬物治療は言うに及ばず、子供ならではの家庭や学校での対応など、大人とは違う子供の双極性障害について詳説してある。 『児童青年期の双極性障害 臨床ハンドブック』(R.フィンドリング他著、十一元三他訳・東京書籍・3990円・2008/08)(出版社) (アマゾン) 未読。 『バイポーラー(双極性障害)ワークブック−気分の変動をコントロールする方法』(モニカ・ラミレツ・バスコ著・野村総一郎監訳/佐藤美奈子/荒井まゆみ訳・星和書店・2800円・2007/06)(出版社) (アマゾン) 双極性障害の気分の波を少なくするために、認知行動療法を取り入れて書かれた、実践マニュアル。 第一章に「使用方法」が書かれ、この本の対象者として「診断されたばかりの人」「病歴はあるが安定していない人」「有効な投薬計画を持っていて、さらに安定を維持したい人」「患者の家族で、自分にできることを学びたい人」の4タイプとされている。 自分にどういう問題があるかによって、どの章から始めるかが明記してあり、必要なページから行える。 チェックや記入欄もあり、わかりやすく、読み物としても使える。 『うつ・躁回復ワークブック』(メアリー・E・コップランド著・松浦秀明訳・保健同人社・1800円・2001年)(出版社品切れ) (アマゾン) 副題は「自分で記入し、自己コントロールするためのプログラム」。 チェック式と記入式、さらに病気についての解説も入って、4部22章。 1部は病気を理解するために、2部は周囲の支援について、3部は回復のためのライフスタイル、4部は自殺を防ぐ、という構成。 『うつ病をなおす』(野村総一郎著・講談社現代新書・700円・2004年)(出版社) (アマゾン) 躁うつ病と、「特殊なうつ病」として双極2型に触れてある。 それも参考になるが、うつの部分で書かれている「変化に弱い」「大事なこととそうでもないことが区別できにくい」などの記述は、なるほどと思わせられる。 『うつ病は治る 5訂版』(渡辺昌祐著・保健同人社・1650円・2006年)(出版社) (アマゾン) 躁うつ病にも参考になる本。 医師の立場から、患者が医師に伝えなければいけないこと、良い医師の選び方など、明確に記述。 社会復帰のタイミングなどにも言及。 『あなたの「大切な人」がふさぎこんだら』(ローラ・エプスタイン・ローゼン他著・富田香里訳・講談社・2100円・1998年)(出版社品切れ) (アマゾン) 身近な人のふさぎこみが、あなたにどんな悪影響を及ぼすか、何をしてあげられるのかを詳説。 うつ状態について知るだけでなく、自分の対人関係上の問題を知ることもできる。 『NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる』(NHK取材班・宝島社・1143円・2009/10)(出版社) (アマゾン) 未読。 『精神科セカンドオピニオン 正しい診断と処方を求めて』(誤診・誤処方を受けた患者とその家族たち/笠陽一郎編著・シーニュ・2520円・2008/07)(スタッフの説明ページ) (アマゾン) ネットの「毒舌セカンドオピニオン」と連携した「精神科セカンドオピニオン」をわかりやすくまとめたもの。「誤診・誤処方の体験記」と「診断・処方を見直すためのサポート情報」の2章から成る。 前半は症例集(28編。ほとんどが「統合失調症と誤診」された症例)で、躁うつ病は出てこない。誤診の実際例や欄外の用語説明は役立つかも。 後半の「サポート情報」は参考になる。笠(りゅう)医師による症状の基礎知識(分類法が独特)、薬の説明のほか、体験者による「セカンドオピニオン実現への道」は非常に具体的。 主治医との上手なつき合い方、セカンドの受け方、主治医に自分の試したい薬やセカンド処方の薬を受け入れてもらう方法、スムーズな転院の仕方などが、20項目余りにわたって書かれている。 統合失調症は10代での発症が多いため、診察の受け方などが家族向けに書かれているのは否めないが、主治医との関係に悩んでいる人にはお勧め。 『[コミックス] ブラックジャックによろしく 9〜13巻(精神科編)』(佐藤秀峰著・講談社・各533円・2005年)(出版社) (アマゾン13巻) 「ガン編」がドラマにもなった、研修医の医療漫画。9〜13巻は「精神科編」で、医療現場の実態のみならずマスコミ、差別などをテーマに掲げている。 舞台は大学病院の精神科閉鎖病棟。取材のために体験入院する新聞記者、統合失調症患者同士の恋愛、奮闘する研修医と指導医との関係、患者とその親、周囲・マスコミの偏見など、多彩な角度から精神医療の問題、限界などを探っていく。 ちなみに、患者は統合失調症しか出てこない(上の本といい、なぜ?)。 この手の本では比較的まともだと思うが、絵が劇画調でエグく暗いのと、刺激的場面(性的表現、人格崩壊状態の描写、池田小事件をモデルにした凄惨な場面)があるので、精神的に不安定な人にはお勧めしない。 安定していても、マンガ喫茶や古本屋で少し見てからの購入をお勧めする。 『うつ病の真実』(野村総一郎著・日本評論社・1700円・2008/04)(出版社) (アマゾン) 雑誌「こころの科学」の連載をまとめたもの。 「うつ病」と言っても、著者は「気分障害」の意味で使っており、躁うつ病も出てくる。 特徴的なのは、気分障害の概念、解釈、診断、治療、分類、化学に至るまで、歴史的アプローチの中で述べられていること。 内容は少々難しいが、この著者一流の文体のおかげで読みやすい。 気分障害が歴史的にどのように扱われてきたのかを知りたい人には好適(歴史に興味のない人には不適)。 認知療法とは、うつを初めとするストレス障害に対して効果をあげている精神療法。 うつになると考え方やもののとらえ方がゆがみ、正しい認識ができなくなるので(認知のゆがみ)、これに気づき、行動を改善しようというもの。 人により合う合わないがあり、また、うつの時に記述式でいろいろ考えるのは容易ではないので、うつでつらい時は、決して無理をしないように。 「やらねばならない」という思考も、認知のゆがみの一つなので、その意味でも自分に負担をかけないこと。 『いやな気分よ、さようなら−自分で学ぶ「抑うつ」克服法(第2版)』(デビッド・D・バーンズ著、野村総一郎ほか訳・星和書店・3680円・2004年)(出版社) (アマゾン) 認知療法の一般向けマニュアルとして有名な本(かなり分厚い)。 記述欄はほとんどないが、認知療法の説明のあと、日常のいろいろな場面を設定し、読者が感じたことなどを書くよう指示がある。 その考えに対し解決法やアドバイスが用意されている。 第2版では2/3が認知療法、1/3が薬の説明に充てられており、少し読みづらいが、認知療法の基礎から知りたい人、さまざまな状況でどうしたらいいかなどを詳しく知りたい人には向いている。 早く実践したい人は、この下の欄のワークブックがお勧め。 『フィーリングGOODハンドブック』(デビッド・D・バーンズ著、野村総一郎監訳・星和書店・3600円・2005年)(出版社) (アマゾン) 上記著書の2作目。前著が「抑うつ」に力を入れていたのに対し、それに加え、さまざまな不安や恐怖、緊張をどう克服して自信を持つか、また対人コミュニケーションの技法について、それぞれ1章を設けて詳しく言及している。 前著よりさらに分厚いが、読みやすく、記述式のページも多く取られている。 この量がきつい人は、ワークブックをお勧め。 『こころが晴れるノート−うつと不安の認知療法自習帳』(大野裕著・創元社・1200円・2003年)(出版社) (アマゾン) 130ページと薄く、イラスト入りで文字も少な目だが、技法はきちんと押さえてあり、内容は豊富。 すぐに使え、表は巻末にもありコピーして使い回せる。 黒と緑の2色刷なので目にも気分的にも優しい。 『うつと不安の認知療法練習帳』(デニス・グリーンバーガー/クリスティーン・A. パデスキー著、 大野裕/岩坂彰訳・創元社・2625円・2001年)(出版社) (アマゾン) 患者が一人で取り組めるワークブック。 4人の主人公を配置し、抑うつのほか、強迫、不安、パニック障害、恐怖症、PTSD、人間関係、摂食障害など、ストレス障害に対し効果があるように作られている。 対人関係療法は、認知療法と同じく精神療法の一つで、うつや摂食障害、PTSDなどに効果をあげている。 下記の本では、躁うつ病でも、薬と併用することによって、再発を遅らせることができると書かれている。 ここで紹介している対人関係療法は「短期対人関係療法」というもので、対人関係の中でも「自分にとっての重要な他者」との「現在の」関係に焦点をあて、そこで問題となっていることを分類し、それぞれのやり方で解決していくもの。 人間関係にはいくつかの層があり、自分に最も近い「重要な他者」との関係については、絶対に手を抜いてはならないが、遠くになるほど放っておいてもいい。 「重要な他者」が自分の精神的状態にどのように影響を及ぼしているかを自覚し、問題を解決していく療法。 『自分でできる対人関係療法』(水島広子著・創元社・1300円・2004年)(出版社) (アマゾン) 対人関係療法の第一人者である著者が、一般向きに平易に書き下ろした一冊。 わかりやすい解説と症例、自己チェックによって、自分の対人関係、特に「重要な他者」との問題を浮き彫りにし、解決策を探る。 相手とのズレ、相手の死、変化への適応、誰ともうまくいかないとき、困難に直面したとき、相手との距離を見きわめる、など、具体的な項目が並ぶ。 「重要な他者」より遠い人達とのつき合い方にも触れている。HPもあり。 『「うつ」が楽になるノート−みんなの対人関係療法』(水島広子著・PHP研究所・1300円・2008/03)(出版社) (アマゾン) 上記と内容はあまり変わらないが、上記の本は説明が多く、症例などもあったのに対し、こちらは文字通り「ノート」で、質問に対する記述式となっている。 「重要な他者」との関係は重視しているが、それ以外の人との関係にも使える技法、考え方が多く書かれている。 「自分の対人関係について知る」「病者という役割を引き受ける」「自分の人間関係を把握する」「気持ちとコミュニケーションの活用法」「自分の問題に取り組む(悲哀・不和・変化・人間関係を作る)」など。 『こころだって、からだです』(加藤忠史著・日本評論社・1500円・2006年)(出版社。ここで検索) (アマゾン) 「こころの悩みとは何か?」から始まり、さまざまな疾患をわかりやすく説いていく。 専門の躁うつ病の最新情報も提供。 ほか、うつ病、統合失調症、リストカット、性同一性障害、ADHD、(昔で言う)「神経症」、摂食障害、薬の話など、16章にわたって読みやすく書かれている。 タイトルは、中島らも著の「心が雨漏りする日には」より。 『精神科へ行こう!』(大原広軌著・文春文庫PLUS・580円・2002年)(出版社) (アマゾン) パニック障害と鬱の著者が、自分の経験を赤裸々に書いた一冊。 精神科を知りたい人には好適。 『図解 こころの健康事典』(町沢静夫著・朝日出版社・2200円・2008/07)(出版社) (アマゾン) 文字通り、メンタル系の病気の事典。 わかりやすい説明で、症状から治療法までを解説。 『こころの治療薬ハンドブック 第6版』(山口登ほか著・星和書店・2730円・2010/04)(出版社) (アマゾン) この種の専門書としては、一般にもわかりやすい。 1つの薬につき2ページ見開き、処方前後のエピソードや処方・服用のワンポイントアドバイスが短くまとめてある。 巻頭に主な薬のカラー写真があるのは貴重だが、見出しが商品名ではなく一般名(成分名)の五十音順で書いてあるので、巻頭の索引(ジェネリック=後発薬を含む)で商品名を引くのが早道。 先発薬の剤型(薬の形や量)、発売元、適応なども書いてあり参考になる。 『向精神薬マニュアル 第3版』(融通男著・医学書院・5460円・2008/09)(出版社) (アマゾン) 専門書のためバカ高いが、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、気分安定薬などの歴史、薬理、種類と特徴、使い方、副作用など、大変詳しい。 付録の薬のデータは、ジェネリックも記載(索引には載っていない)。副作用止めなどで使われる抗パーキンソン病薬、抗酒薬など、精神科関連薬の情報も掲載。 『精神科の薬がわかる本』(姫井昭男著・医学書院・2100円・2008/11)(出版社) (アマゾン) 帯には「精神科の薬をざっと知りたいあなたへ」とあるが、内容は、薬の作用、副作用、種類、禁忌などの他、薬理作用や脳の中で何が起きているか、治療概念図など、結構高度なものも入っている。 しかし、2色刷で図が多く、短い段落、大きめな文字、Q&Aなどで読みやすく工夫されている。薬が効くメカニズムなどを詳しく知りたい方に。 雑誌『こころの科学143号 特集:精神科のくすり』(下田和孝編・日本評論社・1238円・2009/01)(出版社) (アマゾン) 向精神薬がはたらくメカニズム、薬との付き合い方、薬に関しての医師との付き合い方、副作用、新薬とその開発、精神科以外の医者と精神科の薬、適応外使用、子供の精神医療と薬、薬に依存しない治療、など86頁。 このうち、最後のものは、軽いうつ、睡眠障害、不安障害、パーソナリティ障害に限るもので、躁うつ病や統合失調症は薬物メインと筆者自ら認めているので、あまり期待しない方がいい。 『精神医療の静かな革命−向精神薬の光と影』(田島治著・勉誠出版・1800円・2006年)(出版社) (アマゾン) SSRIを初めとする新規向精神薬は、精神医療の現場に大きな変化をもたらしたが、必ずしもいい部分だけではないことがわかってきた。 本書は、アメリカやイギリスでの新薬誕生秘話、ビジネスとしての薬と精神医学、自殺とSSRIの問題など、薬を通して今後の精神医療の方向性を探る。 興味をそそる話題ではあり、それなりに読みやすくはなっているが、内容は少々専門用語が多い。 『精神障害者と家族のための生活・医療・福祉制度のすべてQ&A(第7版)』(森谷康文/杉本豊和/ゆうゆう編集部編・萌文社・2100円・2008/11)(出版社) (アマゾン) 前の6版から3年、やっと7版が出た。 精神障害者が生きていくための福祉制度の他、生活、就労、医療、住居などさまざまな生活上の手続きについても言及、Q&A形式で詳しく解説している。 『お金で悩まないこころの治療生活』(井ノ瀬珠実著・飛鳥新社・1300円・2001年)(出版社品切れ) (アマゾン) 精神疾患を持つ人向けの、福祉制度説明書の草分け。具体的な例を挙げながら、制度をわかりやすく解説(古いので自立支援法には触れていない)。 生活保護で持っていてはいけないものまで書いてある。HPが充実している。 『問題は、「躁」なんです−正常と異常の間』(春日武彦著・光文社新書・700円・2008/02)(出版社) (アマゾン) 著者が有名な精神科医なだけに、悪質度ナンバー1の本。 「躁を扱った本なんて珍しい」と期待して読むと、不快感と怒りでいっぱいになること確実。 著者は、全編、これでもかというほど、躁状態での逸脱行為を描写する。 それも、上から目線の皮肉をこめたゴシップ調で、著者の好む言葉を借りれば「えげつなく下品、薄っぺらい俗物」と容赦なく攻撃する。 しかし、「病気」と言ってみたり「躁的性格」と言ってみたりと医学的にはいい加減で、「人間観察が趣味」のためか、ひたすらに躁での奇行をあげつらうのみなので、読んでいてうんざりする。 また、躁状態の逸脱は「元の性格が拡大されたもの」(!)なのだそう(『あの人が躁うつになったら』を読め)。 さらに、不可解な犯罪者を、印象だけで「躁ではないか」と並べ立てているのも、知識のない一般人に偏見を植えつけるだけだろう。 品のない形容詞を連発し、躁=犯罪者扱いで、医学的根拠は皆無、想像でいいかげんなことばかり書いている姿は、著者こそが「えげつなく下品、薄っぺらい俗物」だと思わせられる。 キッチュなもの(いわゆるB級グッズ)が好きで、ヌードボールペンを10本以上持っているらしいが、あとがきでは、「躁状態の人を見るとキッチュなものを見たときと同じ「ときめき」を覚え、医師としてはげんなりしつつも好奇心を抑えきれない。しかしそれは怖いもの見たさに近い感覚である」と書いている。 こんな人間に、精神科医を標榜する資格はない。 『私の「そう・うつ60年」撃退法』(谷沢永一著・講談社+α文庫・780円・2003年)(出版社品切れ) (アマゾン) 全編「うつは辛い、苦しい」ばっかりである。どこが躁うつだかわかりません。 しかし、躁うつだったらしい開高健とは同病仲間と自慢しまくり。かんじんの「撃退法」は「酒と学閥闘争」だそう。 病気の知識がまるでない著者がことあるごとに引っ張り出す大原健士郎は「躁うつ病はすぐによくなる」と言っているそうだ。 『躁!うつ病患者の妻の本音』(火鳥優著・新風舎・1100円・2005年)(アマゾン) A5判、61ページ、スッカスカに組んでこの値段。ぼったくりである。しかも厚さをサバ読むためのハードカバー。ド派手で悪趣味な装幀。 内容もひどく、著者は薬剤師なのに、夫がうつ→躁うつになったことを全く理解せず、「寺にこもれ」「脳の病気じゃなくて心の病気」「薬じゃ治らん」などと言い、自分の不幸をひたすら嘆く悲劇のヒロイン。 加藤先生のサイトを最後に少し読んだらしく「心の病気ではないのか」などと言っているが遅いだろ。 で、「自分の心のもやもやを文章にして整理したら、とてもスッキリした。ご精読ありがとうございました」で〆。 こんな恥さらしの本、普通の出版社ならありえないが、さすが新風舎である(自費出版詐欺で破産した会社)。 どこかで見かけても買わないで下さい。 『逃亡くそたわけ』(絲山秋子著・中央公論新社・1300円・2005年/講談社文庫・420円)(出版社) (アマゾン) 著者本人は躁うつ病だそうだ(だからどうってわけでもない)。 この作品は「躁うつ病等を扱い」などと言われ、映画にもなったが、軽い気持ちの自殺未遂で精神科病院に入院した主人公が統合失調症の仲間と病院を脱走して車で走るだけの話。ロードムービーってやつである。 薬がなくなり、幻視や幻聴などが出るが、躁うつ病の一般的症状だと思われては困る。あとは向精神薬の名前が出てくるくらい(1種類だけ架空の薬って何で?)。 こんなものを「躁うつ病を扱った作品」などと言われては、誤解を招くだけなのでやめて頂きたい。 『今日、息子が死んだ』(坂井直樹著・英治出版・1400円・2007/06)(出版社) (アマゾン) 工業デザイナー(日産のBe-1など)で有名(らしい)著者が、躁うつ病にかかって自死した息子のことを書いた手記。 息子(無職時々役者)の死の理由を考えると、「現代の日本が生み出した心の闇に行き着いた」そうだ(陳腐)。 躁うつ病者、家族などの手助けになればとまえがきにあるが、躁うつ病を前面には出しておらず、描写もほとんどなく、精神科医に8ページほどインタビューしているのみ。何の役にも立たない。 主に、29歳で亡くなった息子が、いかに繊細でクリエイティブで才能豊かでブランド志向でプライドが高かったか、著者の友人や息子の後輩と対談までして親バカぶりを発揮している。「才能豊かになるには躁うつ病になれ、ではたまらない」など、病気への知識のなさにも呆れる。 息子は息子で、遺書に「自分の遺品、遺稿はすべて永久保存。誰でもいつでも見られるように。メディアにもできるだけ流すように。葬式はこれこれ」と細かく指示しており、躁鬱と言うより自己愛、自意識の強さが感じられる。 山田かまちや尾崎豊のように、夭折の天才と並び称される伝説の人になりたかったようだが、どうやらそれはかなわないようだ。 『パパは楽しい躁うつ病』(北杜夫/斎藤由香(対談)・朝日新聞出版・1300円・2009/02) (出版社) (アマゾン) 過去に『こころの科学131号』での双極性障害特集の巻頭で、この娘(北杜夫の一人娘、斎藤由香)と加藤先生が対談しているのを読み、あまりの無知さ・理解のなさに驚いた経験からして、「親バカ子バカ対談」の可能性高し・・・と思ったらその通り。「楽しい躁うつ病」というタイトルからしてイラッと来る。 齢80を越え、なだいなだ(精神科医・作家)に「北杜夫の功績は、躁うつ病を世に知らしめたこと」と言われ、作家活動も引退したのに、娘に「死ぬ前に少しでも世のためになって」と言われ、娘と対談(前半は発病前のどうでもいい内容)した駄本。 「人生を思い悩まれている方の慰めになれば」と、北のまえがきにあるが、こういう言葉で始まる本は、ほとんどの場合、慰めになどならない。本人(たち)が思い出話をして楽しんでいるだけだからである。 しかも親子、自宅で行った「語り下ろし」。そういう本が薄っぺらいことは大体察しがつく。 一番大変だったのは奥さんだろうし、話にもよく出てくるので、夫婦の対談の企画の方が数段面白く、読み手にも参考になると思うが、二人とも嫌がりそうだ。 とても48歳とは思えないおバカな娘のとりえは「健康」であり(こういうことをプロフィールに平気で書く神経もムカつく)、北が作家で普通のサラリーマンではなかったからなんとかなった生活だということをわかっているのかどうなのか。 精神科医の一族なのに、治療についてほとんど何も出てこないのも不思議である。お金と時間の無駄。 トップページへ
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